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僕たちの容器で、未来の生活をちょっとだけ快適にしたい。

こんにちは。研究員の山内です。入社以来ずっと、容器の研究開発を担当しています。容器の研究って何をするの?と疑問に思った人もいるかもしれません。入社当時の僕も、実はちょっとだけ、そう思っていました。もともと大学では界面科学という、洗剤と関係が深い分野の研究をしていたので、ライオンに入社したときも製品の中身、つまり洗剤の研究開発をするだろうと予想していたのです。

でも、実際に容器の研究開発に携わってみると、とても面白く、知れば知るほど奥が深いと思うようになりました。10年以上やっていても、いまだに新しい発見だらけです。今日は、みなさんに、その魅力を少しでもお伝えできたらと思います。


部門を越えたものづくりで、より良いものを生み出していく

容器って、服のようなものかもしれません。服は見た目を変えるだけでなく、日差しから肌を守ったり、寒さを防いだりと、多様な役割があります。容器も同じで、中身を守るだけではなく、実はいろんな機能を果たしています。

容器は最初にお客さまが目に触れるもの。製品のメッセージを伝えるという重要な役割を担っています。どういう形にすれば、製品の魅力をわかりやすく伝えられるか。そこに知恵を絞ります。そして、使っていただくシーンを考えて、使いやすい形や、手触り、重さなども考えます。

また、製品として世に送り出すためには、大量生産できる容器であることも重要です。そして……はい、まだあるんです。運びやすさも考えます。トラックにできるだけたくさん載せられたほうが、コストも削減できますし、環境に排出されるCO2も少なくなります。環境といえば、製品が使命を終えて捨てられるときのことも考えます。環境への負荷が少ない容器を開発することも、重要な視点です。

これらを全て考慮しながら、より良いものを生み出していく、これが容器開発の仕事です。
まとめると、こんな感じです。

部門を越えて、ものづくりの工程のほぼ全ての人たちと一緒に進める仕事なので、仲間との絆は深まります。完成してお客様のもとへ送り出せたときの達成感はひとしおです。

僕の職場は、自分の個性や特技を生かしやすい部所かなと思います。失敗を恐れずに行動でき、困ったときに助けを求められる人、他にも、情熱的に理想の容器を追い求める人、いろいろな人がいて、お互いに刺激を受けて、「より良いものを生み出す」エネルギーが高まっていると感じます。

良い容器とは何か、日々の暮らしから探求し続ける

良い容器とは何か。その答えは、人によって様々です。そのため、自分の感性を信じつつも、独りよがりにならないように考えていくことが重要だと思っています。使ってくれる人の声にしっかりと耳を傾けて、他の部所の人たちとも議論して、本当に求められているものは何かを常に考えるようにしています。アイデアは、なぜか電車に乗っているときによく浮かびます。

生活の中にももちろんヒントがたくさんあります。僕自身は、家事があまり好きではないので、できるだけ楽にしたいなと考えていて、楽にできないものを見つけたら、どうしたらもっと改善できるのかと考えたりします。

職業柄か、瓶やキッチン道具などの形も気になります。ウイスキーをいろいろ集めるのが趣味で、家には50種類くらいのウイスキーの瓶があります。お店で買うだけでなくネットで見つけて購入していたら、自然と集まってしまいました。ワインと違って、開封して飲みきらなくても大丈夫なので、少しずつちびちび飲み比べています。ウイスキーは、お酒が弱い人にむしろおすすめかもしれません。瓶の形もガラスの質感もいろいろあって面白いのです…と、強引にこじつけてみましたが、やっぱりこれは容器開発の話とあまり関係ないですね。失礼しました(笑)

透明感とサステナビリティを両立させる

最近では9月に発売した『NANOX one』の容器開発に携わりました。

写真を見てもらうと、カラフルな液色が目に入ってくると思います。このカラフルな美しさを伝えるために、透明度の高い無色透明な容器をつくりました。でも、実は容器が透明だと光の影響を受けやすく、液色が変化する恐れがあります。使っていただく方に、いつまでもカラフルな美しさを感じてもらうため、最適な樹脂と添加剤の組み合わせを選定し、光の影響を防ぐ工夫をしました。

従来の『NANOX』の容器には、環境対応の一環として再生プラスチックを使用していましたが、今回は新たに、植物由来の材料からつくったバイオマスPETを活用することで、環境に配慮しながらも透明感を出すことに成功しました。

『NANOX one』 の中身の開発を担当した大塚研究員の記事はこちら

容器ができることは、まだまだある

工場での立会いや原料・包材メーカーとの打ち合わせなど、出張が多いのも僕の仕事の魅力の一つです。昨年は、ドイツで行われたプラスチック関連の大規模な展示会に参加しました。環境問題に対する最先端技術がいろいろ展示されていて、とても勉強になりました。僕たちも環境に配慮した開発を進めていますが、こうやって世界中の技術者が、地球環境を守るというひとつの命題に向かって日々取り組んでいることを肌で感じることができてとても刺激を受けました。

環境を守ることに加えて、容器の開発は新しい未来を創る可能性を秘めています。もちろん中身の開発と一緒になって初めて成し得ることですが、これまでにない新しい製品を生み出すことで、人々の習慣が変わったり、これまで困っていたことが解決したりすることもあるんじゃないかなと思います。

例えば、2016年に僕はハンドソープの『キレイキレイ』の抗菌ポンプヘッドの開発に携わりました。「手を洗う前に触るヘッド部分の菌が不安だ」というお客様の声をいただいたのがきっかけです。当時、ハンドソープのヘッドに抗菌機能をもたせたのは、キレイキレイが初めてでした※。
 ※抗菌製品技術協議会2015年11月現在登録製品において

“容器開発は未来の一部分を創る”というと、ちょっと大風呂敷を広げすぎかもしれませんが、より快適な習慣を生み出せる可能性があるのは、生活に密着した製品のものづくりに携わっているからこその面白さだと思います。

みなさんにとっての「家事とは?」が聞きたい

僕は、基本的に家事はあまり得意ではないんです。今は猫2匹との暮らしなので、家事はすべて自分でやるしかないのですが、いつも面倒くさいなあと思っています。でも、家事って、自分の状態を示すバロメーターになっている気がします。

家事が雑になって家が散らかったり、食事が適当になったりしてきたときは、疲れているしるしです。視野も狭くなって、頭もあまり回っていない。自分の調子の指標になるので、ある意味、便利です。

逆に、ちょっとがんばって家事をした結果、気持ちがすっきりしたり、整った状態を見て頭が整理できたりといったこともあります。だからこそ、億劫な家事が楽になったり、少しでも楽しくなったりするような製品をこれからも生み出していけたらなと思います。

よかったら、#わたしと家事 で、みなさんと家事の関係について考えてみてくださいね。 #わたしと容器 で容器について語ってくれても大歓迎です。そんなマニアックなことを語ってくれる人はいないと思いますが…もしいたら、泣いて喜びます(笑)

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