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卓球引退後の石川佳純さんインタビュー編集後記。「自分のため」から「誰かのため」へと原動力が変化した理由

今回、LION Scopeでは日本の卓球界を牽引してきた石川佳純さんに、ライオンのパーパス(存在意義)にある「より良い習慣づくり」についてお話をうかがいました。 

この編集後記ではインタビューの中でお聞きした石川さんのお話をさらに深堀りし、編集部が感じたことをご紹介します。


「自分のベストを尽くす」。プロとして生きる覚悟

今回はライオンの蔵前本社にお越しいただき取材を行ないました。
テレビで見ていた現役時代の鋭い表情とは対照的に、こちらを気遣いながら明るい笑顔でインタビューに応じてくださった石川さん。お会いするまでは若干緊張していた私たちでしたが、石川さんの飾らない姿や態度もあり、緊張が解けた雰囲気の中、インタビューを進めさせていただきました。

インタビューをする中で最初に感じたのが、プロ意識の高さです。「食事」や「睡眠」の管理といった日常はもちろん、毎日の練習や試合も、「良い成績を出すためだと思えば、あまり苦ではなかった」と語ってくださいました。その感覚はいつ芽生え、どんなことを意識していたのでしょうか。

石川:高校を卒業してプロ契約をしたタイミングですね。コートに立つ以上、自分のベストを尽くさなくてはいけないと思うようになりました。また、試合に出ると決めたからには、どんなことがあってもコートには立つ、ということをつねに意識しました。負けたときに言い訳をしない。というのもポリシーとして大事に持っていましたね。

プロというのは試合を観てもらうことや、試合に出ることに対してお金をいただいている職業です。そうした気持ちがあったからこそ頑張ることもできたと思っています。

「自分のため」から「誰かのため」に。選手生活の中で変化した原動力

つねに「プロ」としての自分にこだわり、練習や試合を積み重ねてきた石川さんですが、注目されればされるほど、プロとして求められる結果やプレッシャーも大きくなっていったのではないかと思います。そうしたなかで、頑張り続けることができた理由は何だったのでしょうか。

石川:正直、若いころは強くなりたい、勝ちたい、活躍したいという「自分のためにこうなりたい」という気持ちが原動力でした。そのなかでやっていくうちに、自分の試合を観てくれている人がいると知ったり、私のプレーを観て「明日も頑張ろうと思えた」というお話を聞いたりするのがすごくうれしくなっていきました。

今日のこの1試合も、誰かにとってはわざわざ観に来てくれた1試合かもしれない。
なので、自分の体調が悪いからという理由で、その期待を裏切りたくないという想いが強くなりました。特に現役生活の後半は「支えてくれている人のために」という気持ちがより大きくなり、ベストを尽くす原動力になっていたと思います。

現役時代に感じたファンのへの感謝の気持ちがあるからこそ、引退しても47都道府県サンクスツアーなどを行ない、皆さんとの交流を大切にしているのだとおっしゃいます。

『石川佳純47都道府県サンクスツアー』は、石川さんが47都道府県を訪問し、主に卓球に取り組む子どもたちと交流するイベント

石川:現役時代は卓球以外の周りのことが見えていなかった部分もあるので、負けてしまうとすごくネガティブになってしまうことも正直ありました。ただ、地方などに行くと「こんな多くの方に今まで応援してもらっていたんだ」と知ることができて嬉しかったです。

だからこそ、今度は私からの感謝の旅なので、いままで私の卓球人生を応援してくださった方、特に子どもたちみんなに卓球やスポーツの楽しさを伝えられたらなと。現役は引退しましたが、このサンクスツアーに今は一番やりがいを感じています。

編集後記

「現役時代は生活の95%が卓球だった」と語る石川さんにとっての「日常」は、私たちにとっては「非日常」の毎日。当たり前のように石川さんは語ってくださいましたが、お話しされる言葉の一つひとつに、日本の女子卓球界のトップを走ってこられた覚悟や熱意が感じられ、その想いに吸い込まれるような、あっという間の時間でした。

食事や睡眠など毎日の習慣をおろそかにすることなく、現役生活を続けられてきたからこそ、充実感が溢れる今の石川さんにつながったのだと思います。朝起きて夜眠るという基本は変わらなくとも、ほんの少しの意識の違いが積み重なり、やがて大きな力として身につくのだと感じました。
今回取材させていただいた編集メンバーは石川さんと同世代で、距離を感じさせない石川さんの振る舞いに親近感を覚えつつも、やはり見えている景色や言葉一つひとつの重みをひしひしと感じたそうです。

取材の中で石川さんは「良い習慣は、良い毎日や良い気持ちもつくると思う」と話してくださいました。「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパスを掲げているライオンにとって、石川さんのその言葉が持つ意味はとても深く感じられ、そこにいた全員が思わず大きくうなずいてしまいました。

何気ない毎日だからこそ、積み重ねたものがその人になっていく。だから毎日を大切に過ごす。石川さんのインタビューをとおして、あらためて私たちも毎日の大切さを見つめ直すことができました。

石川さん、取材をさせていただきありがとうございました!


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