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《後編》誰も取り残さないオーラルケアのために。「体験」からの習慣づくりに挑戦

皆さんのイメージする「理想的な社会」とはどんな状態ですか?

現代は、環境問題をはじめ、経済格差や健康と福祉など、さまざまな社会課題に、これまでになく注目が集まっている時代といえるかもしれません。

その解決に向けて多くの国や企業、そして個人が行動を起こすなかで、ライオンは「健康・快適・清潔な毎日とサステナブルな社会」の実現のために、2030年までに取り組むべき「サステナビリティ重要課題」を設定し、さまざまな活動を行なっています。

なかでも、人々の幸せな毎日につながる「健康な生活習慣づくり」と「サステナブルな地球環境への取組み推進」を最重要課題として位置づけ、その解決策のひとつとして「インクルーシブ・オーラルケア」という概念でさまざまなプロジェクトを実施しています。

こうした流れのなかで、認定NPO法人と協働で開始したのが「おくちからだプロジェクト」。経済的困窮によってオーラルケアが行き届いていない家庭の子どもたちに、「歯と口の健康」をテーマにしたプログラムを体験してもらい、オーラルケアの習慣化と自己肯定感の向上を目指しています。

前編に引き続き、後編ではプログラムに参加した社員の声から「おくちからだプロジェクト」で見えてきたことと、今後の課題についてお届けします。

前編はこちら

体験をきっかけに、朝晩の歯みがきが習慣になった子どもたちも

現在、「おくちからだプロジェクト」では体験キットの提供と並行して、社内で募集したボランティアが実際にこども食堂を訪問して、子どもたちとじかに接しながらオーラルケアへの理解を深めてもらう取り組みを行なっています。2022年10月時点で、95名の社員がボランティアとして参加しました。

2022年6月には社長の掬川もボランティアとして活動に参加

こども食堂のスタッフのみなさんの協力もあり、プロジェクトに参加した子どもたちは大いに楽しんでくれたようで、「体験をきっかけに朝・夜に歯をみがくようになった」という声をいただきました。また、「知らない大人とゲームや工作などを通じてコミュニケーションをとる」という普段とは違う経験を提供することができました。オーラルケアの習慣づくりにとどまらず、この経験が子どもたちの自己肯定感を育む助けになればと願っています。
 
ボランティアで参加した社内スタッフも、最初こそ慣れない体験に戸惑いもあったようですが、終了後には、参加したほぼすべてのスタッフが「機会があればもう一度参加したい」と意欲的に答えてくれました。この取り組みを通じて、従来の活動ではなかなか接することができなかった相手に、オーラルケア習慣の大切さを伝えることができたという手ごたえがあったようです。

子どもたちに紙芝居で歯と口の健康の大切さを伝える社内ボランティア

このように実際に子どもたちと接することで、少しずつですが、オーラルケアの習慣化や自己肯定感の向上に貢献していると実感できるようになってきました。

未来のために、持続可能なプロジェクトのあり方を目指して

こうしたこども食堂での活動とあわせて、より多くの子どもたちにこの体験をしてほしいという想いから、3つの体験プログラムをセットにしたキットの配布も行なっています。認定NPO法人さまの力添えもあり、2021年度は全国226団体(17,520人分)、2022年度は全国400団体(19,420人分)以上に配布することができました。それでも、日本全国に6,000か所以上あるとされるこども食堂のうち、現時点でプロジェクトが展開できているのは600か所ほどにとどまっています。
 
この活動をさらに多くの場所へと広げていきたいという想いを叶えるためには、ボランティアの力だけに頼るのではなく、サステナブルなかたちで運用していくための仕組みづくりが必要です。また、子どもたちが飽きてしまわないよう、絶えず新しい情報や体験を生み出し続けることも工夫しなければなりません。

みんなで一緒にダンス。体を動かしながら歯みがきの大切さを知る機会に

また、実際に子どもたちに接することで、子どもたちに必要な生活習慣はオーラルケアにとどまらないということもわかってきました。そのニーズに応えるために、さまざまな強みを持ったパートナー企業と協力しながら、子どもたちに多様な体験を提供する機会をつくることも、新たにチャレンジすべき試みのひとつといえるかもしれません。ボランティアとして参加したライオン社員たちの、子どもたちと触れ合った実体験、それをふまえての声は、今後取り組みを続けていくうえで大きな力になってくれると思います。
 
オーラルケアの大切さをすべての人に届けることができていない現実に課題を感じてスタートした「おくちからだプロジェクト」ですが、最初はその課題にアプローチする手段もノウハウもない状態でした。認定NPO法人と協働で取り組みを行なうなかで、パートナーとの協業によりプロジェクトを徐々に成長させることができてきたという実感があります。
 
オーラルケアは普段の生活では当たり前すぎて、あまり意識しない習慣かもしれません。けれど全身の健康と密接に関係しており、人が本来持っている「健やかに生きる力」を引き出し育むための、非常に重要な習慣です。こうした身近でありながら重要な習慣がすべての人に行き届いていないという課題解決に向けて一歩ずつ歩みを進めることこそが、大きな社会課題の解決につながっていくとライオンは信じています。そして今後もこの歩みを止めることなく、持続的に活動を続けていきたいと考えています。

▼インクルーシブ・オーラルケア

▼おくちカラダプロジェクト


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