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家族をつなぐ家事は、もっと「楽♪」になる

こんにちは。入社4年目の遠藤です。住居用洗剤の研究開発を担当しています。

突然ですが、みなさん、家事は好きですか?

この質問に迷わず「はい」と答えられる人はどれくらいいるのでしょうか。家事は好きじゃないけど、好きになりたい。わたしがライオンに入社を希望したのは、そんな思いを叶えるためでもありました。わたしやわたしと同じような考えの人のために、家事を少しでも好きになれる製品を作れたらいいなと思っています。


家事は「なくしちゃいけないもの」なのかも

家事をする時間は、自分や家族の生活を考える良い機会になります。また、家族と一緒に家事をすれば、団欒のきっかけにもなります。子どものときには母と一緒によく料理や掃除をしていて、仕事をしながら家庭でもいきいきと家事をする母をとても尊敬していました。家事は生活を整える以外にも、いろんな意味があるのかも。
 
もし嫌いな家事を誰かに任せられたとしても、全てを外注、機械化して、まったく家事をしなくなったら、生活の大事な部分が失われてしまうような気がするのです。そんな思いから「家事を前向きにする研究がしたい!」と考えてライオンへの入社を決めました。

わたしがいま担当しているのは、ルックプラスというブランドの製品です。ブランドのメッセージは「がんばらなくてもキレイ♪」。音符マークがお気に入りポイントです。時間や手間を減らし、でも確かなキレイを実現する今までにないお掃除で、音符マークが表しているように、前向きになれるお手伝いができる製品を目指しています。

最初に携わったのは、トイレ用洗剤の研究開発でした。担当が決まったとき、これは大きなチャンスだと思いました。
 
片づけは苦手だけど料理だけは好きとか、逆に片づけは好きだけど料理は嫌いとか、人によっていろいろ家事の好みがあると思います。でも、好きな家事としてトイレの掃除を一番に挙げる人は少数派だと思います。
 
だからこそ、トイレ掃除の苦手を減らし、楽しいを増やせる可能性がたくさんあると思ったのです。

新製品「泡ピタ」をチームの力でお客様のもとへ送り出す

入社して最初に開発に携わった製品はトイレの洗浄スプレー「泡ピタ※」です。泡ピタはモコモコの密着泡が特徴で、洗いにくい便器のフチ裏に密着泡が留まることで簡単に掃除できる製品です。泡ピタは、わたしが入社したときには、すでに製品として仕上げの段階にありました。
 ※ルックプラス 泡ピタ トイレ洗浄スプレー

研究所の先輩方だけでなく、事業サイド、生産、営業などの多くの人たちが関わって、細かな確認をしながら製品が完成し、お客様の元に届けられていく。そんな工程を目の当たりにして、「わたしもこれからもっともっと自分のスキルを磨いて、チームの一員として貢献したい」と感じたのを覚えています。
 
トイレの形も掃除のやり方も本当に人それぞれなので、自分の経験だけでは製品の開発はできません。協力していただける方に、掃除の様子を動画に撮ってもらうこともしました。さらにどんなことを考えながら掃除をしているのか、口に出して実況中継もしてもらいました。「ここの汚れが落ちにくいなあ」なんて言いながら掃除してもらうと、動画だけではわからない貴重な情報が得られます。

また、実際にどのような場所にどのような汚れが残るのかを知ることも重要です。ご自宅にお邪魔してトイレを見せてもらって調べたりもしました。実は当社の研究所でも、各フロアに異なるトイレが設置されていて、いつでも観察できるようになっているんです。

この仕事を始めてからは、どこのトイレに入っても、便器の形を観察するのがくせになりました。フチ裏がどういう形状になっているのか、水がたまる部分の傾斜がどうなっているのか。もう職業病ですね(笑)

トイレのフタの汚れに注目して学会発表

現在は他の製品の開発を進めながら、泡ピタの良さをさらに多くの人に知ってもらうための広報活動も行っています。

その活動のひとつが、学会発表です。

きっかけは、コロナ禍を経て「フタを閉めてから水を流してください」という表示を多く見かけるようになったことです。トイレのフタを閉めて水を流す人が増えたなら、汚れる場所もきっと変わってきているはずです。フタを閉めると、汚い水がフタの裏に飛び散る可能性があります。汚れはいったいどれだけフタ裏に飛び散っているのか、そして、放置するとどうなるのか。それを科学的に検証してみようと思い立ちました。

というのも、スプレーすると密着泡がピタっとその場所に留まる泡ピタは、垂直に立てられたトイレのフタ裏の掃除にもぴったりの製品だからです。もしフタ裏が汚れていて、定期的に掃除をした方がよいのであれば、便器内だけでなくフタや床にも使える泡ピタが役に立つと考えました。

水に濡れると色が変わる紙をトイレのフタの裏側や便座や床に貼り付けて、フタを閉めてトイレの水を流して、どれだけ水滴が飛び散ったかをカウントし、フタ裏にどんな菌がどれだけ検出されるかも調べました。その成果を学会で発表し、『知らなきゃ良かった トイレの秘密シリーズ』としてニュースリリースしたことでメディアにも取り上げられ、泡ピタを広く知ってもらうきっかけをつくることができました。

他にも、「こすらず流すだけ」な泡ピタの使い方を撮影してSNSで紹介したり、店頭や社内にPOPを掲示したりと、泡ピタの良さを知ってもらう活動をしています。お店で見かけたら、ぜひ手に取って使ってみてほしいです。

社内食堂における情報掲示

家事が家族をつなげるきっかけになる

「家事って何か?」という明確な答えを出すことは難しいのですが、こうなってほしいなという理想像は見えてきました。それは、家族のコミュニ―ケーションのきっかけになってほしいということです。例えば、親子が一緒にクッキーを焼いている姿って素敵だなと思うのですが、お菓子作りだけじゃなく、いろいろな家事が、そんなふうに家族の想いを共有する時間になっていくといいなと思うのです。

以前、社内の募集企画で、親子で一緒に「楽♪」に家事をするためのアイデアを考えたことがありました。平日の忙しいときでも、親子で楽しく一緒に家事をするにはどうすればいいか、たくさんの人にヒアリングし、試行錯誤しました。最終的には“いえごとキッズ~家事を子どもとのコミュニケーション時間へ~”という保育園内での事業を提案しました。これは、保育園内での習い事の一つとして家事の楽しさを取り入れてもらう企画で、紙芝居を使ってお手伝いの楽しさを伝え、自分で掃除道具を作るといった子どもの自発性を促す要素を取り入れました。その結果、「ありがとう」や「すごいね」といった親子のコミュニケーションを増やすことができました。

保育園で使用した紙芝居

この企画の過程で、理想的な家事の在り方について考えたことは貴重な体験でした。チームの先輩やリーダーの方からのアドバイスやサポートを通じてたくさん学ばせていただき、とても感謝しています。

悔しい気持ちをバネに、「楽♪」家事を探す

家事は生活を整える以外にもプラスの面があると思います。だからこそ、家事は好きじゃないけど、好きになりたい。そんなわたしが「がんばらなくてもキレイ♪」の研究開発に携われているのは、幸運なことだと感じます。
 
実はこれまでに開発が途中で中止になったり、目指している効果が出なかったりと、悔しいことが何度もありました。そんな悔しい気持ちをバネにもっと良い商品を開発して、家事を「楽♪」にしたいと思っています。

好きな家事をもっと好きに、嫌いな家事の嫌いな部分を減らす。これからも、そんなお手伝いをしていけたら嬉しいです。


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