創業131年を迎えるライオンの企業スローガンを振り返ってみた
2022年10月30日にライオンは創業してから131年を迎えました。「事業を通じて社会のお役に立つ」という創業者の精神は、私たちのDNA「愛の精神の実践」としてずっと変わらずに受け継がれています。でも、それを実現するやり方は、暮らしの変化に寄り添って、変わり続けています。
その一例として挙げられるのが、ライオンの企業スローガン。「おはようからおやすみまで」のフレーズを耳にした覚えはありませんか? 1980年に使われはじめたこのフレーズ以降、ライオンのスローガンは時代によって移り変わっています。
今回は、1980年からこれまでの暮らしの変化をみつめてきたライオンの企業スローガンを振り返ってみたいと思います。
ライオンのスローガン変遷一覧(1980年以降~)
・1980年1月~「暮らしをみつめる」
・1991年1月~「いつも暮らしの中に」
・2001年1月~「あしたに、あなたに」
・2004年8月~「おはようからおやすみまで くらしに夢をひろげる」
・2012年1月~「今日を愛する。」
1980年、スローガン誕生。1,667点の社内公募から選ばれたのは?
ライオンの企業スローガンが制定されたのは、1980年のこと。社内公募により「暮らしをみつめる」に決定しました。
この年はライオン歯磨とライオン油脂の合併のタイミングで、2社の合併を第二の創業と位置づけ、新しいスローガンを社員から募集しました。その総数は、なんと1,667点。
「おはようからおやすみまで暮らしをみつめるライオン」。こちらのフレーズのほうが皆さんにとっては記憶にあるかもしれませんね。テレビ番組の提供でおなじみのこのフレーズは、じつはサブスローガンとして設定されていました。社内公募でも、「おはようからおやすみまで」を使った提案が複数あったので、採用されたという経緯があります。
この「おはようからおやすみまで」というフレーズはライオンの代名詞のように広く知られるところとなり、2004年のスローガンにも再び登場します。トータルでは20年あまり企業スローガンとして親しまれ、多くの方の記憶に残るフレーズとなりました。
2000年代の主役は「あなた」。その理由は?
2001年に創業110周年を迎えたライオンは、スローガンを「あしたに、あなたに」に一新しました。当時は、一世帯の平均人数は2.7人と小家族化が進んでおり、ライフスタイルも細分化していった時代。一人ひとりの心に響く、さらにパーソナルな発想が大切だと、私たちは考えました。
新しい世紀の、一人ひとりの生活シーンをもっともっと豊かにしたい。手にしたとき、使うとき、こころときめく製品を開発したい。そんな想いを込めて、「ちょっと進んだ製品を(=あしたに)、一人ひとりの心に響くように(=あなたに)」という、「あなた自身=個人」に向けたメッセージが、「あしたに、あなたに」です。
一日一日を大切にする。「今日を愛する。」に込めた想い
現在の「今日を愛する。」というスローガンが制定されたのは2012年。この言葉は、「一日一日をいとおしみながら、ていねいに生きる」ことを示しています。人々が愛する大切な「今日」という日々の暮らしを、私たちも愛し、そこに貢献していく、という決意を込めました。
人の一生は「今日」という一日一日を積み重ねたものであり、毎日を前向きに充実して生きることこそが幸せの本質だと考えました。そして「今日を愛する。」とは、文字どおりの「今日」だけでなく、「未来」を愛するということ。価値ある未来に向かって、めぐり来る「今日」という一日一日を、この瞬間を、いとおしみながら、ていねいに、前向きに生きていく。そんな一人ひとりの毎日を、より良い習慣づくりを通じて支え、サステナブルな社会への貢献に取り組み続けることが、私たちの使命です。
昨今の社会情勢の変化を経て、何気ない日々の大切さにあらためて気づかされた人も多いのではないでしょうか。私たちライオンも暮らしの変化をみつめ、コミュニケーションの言葉としてのスローガンを時々に応じて変えながら、創業からの変わらぬ想いをこれまでもこれからも、「習慣づくり」を通じて届けていきます。
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