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ライオンの「習慣づくり」を世界へ。世界的フェスから感じた『TANO-LT』の更なる可能性とは?

徐々に各地で夏フェスの復活も報じられ、熱く盛り上がりはじめる今日この頃。
アメリカのテキサス州、音楽とアートの街オースティンでは、毎年春に世界最大級の複合フェスティバル「SXSW(サウスバイサウスウエスト) 」が開催されています。ライオンは、3年ぶりのリアル開催となった「 SXSW 2023」に参加。ひと足早くお祭りのようなひと時を体験してきました。

今回出展したのは、介護トレーニングゲーム機『TANO-LT』です。このゲームは、高齢者の方々の“楽しい運動習慣づくり”を生み出すため、ライオン研究員が外部と協働で開発しました。

『TANO-LT』の開発詳細記事はコチラ

世界中からトレンドに敏感な人たちが集まるSXSWで、『TANO-LT』にはどんな反響があったのか。参加した研究員3名に、現地での様子や新たに見えてきた可能性、今後の展望について語ってもらいました。

体験ブースに訪れたのは約5000名!「楽しい」は世界共通

ーーまずは出展した率直な感想を教えてください。

物井:​​ ​​とても刺激的でした!ですが、いろいろな課題が見つかりました。例えば、視察でいらした日系企業の方たちに「ライオンさん、何でこんなことをやっているの?」と聞かれたんですよね。このプロジェクトも「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する (ReDesign)」という当社のパーパスに繋がっているのですが、まだまだ私たちの活動は知られていないんだなということを痛感して、我々としても情報発信に力を入れていかなければいけないなと思いましたね。

斎藤:私の体感では、日本人参加者の9割くらいから「なぜライオンがこの取り組みを??」と質問された気がします(笑)。一方できちんとご説明すると、“楽しい”を軸とした運動習慣づくりにすごく共感してくださるんですよね。また各国の方から「ぜひウチと組みましょう」というお声もいただいて、協業のチャンスも生まれています。「楽しい」の価値って、世界共通なんだと改めて思いました。

篠原:実際に『TANO-LT』を体験できるブースを用意していたのですが、誰かが体験しているとそれを見て「面白そう!」とさらに人が集まってきたんです。4日間の出展で計5000名くらいの方がブースに足を運んでくださって、文化も環境も違う世界の方たちに受け入れてもらえたのを見て、自分たちがやってきたことに対して想像以上の可能性を感じました。
また、世界最大級のイベントへの出展ということで不安もあったのですが、SXSW JAPAN OFFICEの皆さんがとても親切に出展までのノウハウを教えてくれたり、出展中も日本からの参加メンバーでコミュニティが形成されて、最後まで楽しく参加することができました。

展示会ブースでの様子

ーーブースに5000名、というのはさすが世界最大規模のイベントですね。ちなみに、どんな方々が体験にいらっしゃったんですか?

物井:最初の3日間は、技術探索に来ている方や投資家などが多かった印象です。そのうち2〜3割は日本人で、視察に来ている日系企業の方が多い印象でしたね。また、最終日は開催地であるオースティンに在住の方が入場無料になるため、ファミリーがたくさん来ていて、子どもからおばあちゃん世代まで本当に幅広い年齢層の方に体験していただきました。

「楽しい!」「欲しい!」 海外でも好評の声

ーー『TANO-LT』を体験した方々の感想や、皆さんにとって印象的だった声があれば教えてください。

物井:『TANO-LT』は、口腔・睡眠・運動器の3つの機能を同時にトレーニングできる『健口眠(けんこうみん)体操』を搭載しているのがひとつの特長です。この体操について、口の機能もトレーニングできることを説明すると、まだ他の国でもオーラルフレイル(加齢によるお口の機能低下)について十分に浸透していないのか「口の機能を高めるって新しいアイデアだね」と言われることが多かったですね。「たしかに飲み込みづらいとか喋りづらいってあるし、口腔機能をトレーニングすることもすごく重要だね」と共感していただけたのは印象的でした。

篠原:​​ゲームでは、リアルタイムで自分の骨格や姿勢のチェックを行いつつ、楽しみながら運動できるという一連の流れを体験していただけるので、その新鮮さに良い反応をもらえました。
「自宅で使いたい」とか「子ども向けの施設でも使いたい!」という声をたくさんいただきましたし、未だ日本のみでの販売に限定していると伝えると、残念がられることもありました。

ーー熱烈なアプローチをたくさん受けたんですね。これだけ海外の方にも受け入れられたのはなぜだと思いますか?

物井:まだきちんとヒアリングができていないのですが、例えばアメリカなど、海外は自由診療で医療費が高額になることも多く、「予防」への意識がすごく高いんです。一人当たりの年間医療費が平均で100万円を超えるとも言われているため、なるべく病院にかからなくて済むように、健康維持のために運動を習慣化したいというニーズが確実にあるのだと思います。
 
篠原:それに加えてアメリカでは、広い家の中で家族で介護をするケースも多いので、セルフチェックをしながら家族全員で楽しく運動できる『TANO-LT』が、アメリカの家族形態や介護スタイルに上手くマッチしているのかもしれませんね。

今後は海外展開も!?ライオンの「習慣づくり」を世界に

ーーなるほど。「SXSW」への出展を通して、さまざまな可能性が見えてきたかと思いますが、何か考え方の変化などはありましたか?

物井:まずは高齢化が進む日本で進めていこうと思っていましたが、今回のイベントの参加を通して、世界に求められていることを実感し、本気で世界展開も考えたいと思い始めたのが、大きな変化かもしれません。

ーーシステム開発担当である斎藤さんから見て、今後の開発に関わるような発見はありましたか?

斎藤:私が作り手として改めて感じたのは、開発の方向性は一つではないということですね。私たちとしては最終的に自宅で使っていただくことを目指しているので、小型化することは絶対的に必要だと思っていました。「SXSW」への参加はその技術パートナーを探す意図もあったんです。
 
幸運なことにそういった企業さんとの出会いもあったのですが、国土が広くて、家も大きい海外の方にとっては、ゲーム機のサイズはあまり重要ではないんですよね。そういった国による考え方の違いもわかってきたので、今後は国内外問わず、さまざまなユーザーを想定した上で、きちんと使いやすいものをつくっていくことが課題だなと再認識しています。

ーープロジェクトメンバーの皆さんにもたくさんの刺激があったようですね。
最後に、『TANO-LT』プロジェクトの今後の展望を教えてください。

物井:​​ ​​私たちは、楽しく運動する習慣づくりを通じて、みんながいきいきと暮らせる社会をつくっていきたいという想いで『TANO-LT』を開発しました。今回の展示で、それが日本だけでなく世界でも共感してもらえたのはすごく大きな収穫でしたね。一方で、私たちの活動がまだまだ知られていないという課題も見つかって、そういう意味でも、私たちがこのプロジェクトをやる意義や想いを知っていただく努力は引き続きしていきたいなと思います!

物井則幸(写真左)
『TANO-LT』プロジェクトのリーダー。社内のさまざまな研究所を渡り歩き、これまで主に口腔や睡眠分野の研究に携わる。そこで培った技術や社内研究員との繋がりを総動員し、今回のプロジェクトに挑む。

篠原大輝(写真中央)
サービス開発を担当。介護施設などの現場に赴き、スタッフや利用者からの声を直接拾い上げ、誰もが使いやすいものづくりを進める。

斎藤貴大(写真右)
ゲーム機のシステム開発を担当。システム開発は未経験ながらエンジニアとしてTANOTECH社に出向き、新たなスキルを習得しながら『TANO-LT』の改良に取り組む。

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▼『TANO-LT』公式HP


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