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あたりまえだけど奥が深い、知っているようで知らない「ハブラシの世界」

人は人生のおよそ3分の1を睡眠に費やすと言われていますが、毎日行う「歯みがき」も朝と夜にみがくと考えると1年で730回も行っていて、1回3分とすると2,190分、36時間半にも及びます。
 
そんな「歯みがき」のたびに繰り返し使っている「ハブラシ」をみなさんはどのように選んでいるでしょうか?
 
今回は、思っている以上に長い時間を一緒に過ごしている「ハブラシ」が生まれる原点とその最先端技術について深掘りしていきたいと思います。


まさに多様性。あらゆる人の好みや、それぞれの口腔状態に合わせたハブラシ

この世に全く同じ顔の人がいないように、歯の形や歯並びは千差万別。成長や加齢によって口腔状況も変わってきますし、口のなかの触感などにはそれぞれ好みがあります。
 
歯みがきの目的もさまざまで、奥歯の裏の隅々までみがきたい、歯周ポケットが気になるという人から、歯を白く綺麗にしたいなどニーズも多彩です。
 
ハブラシを選ぶとき、みなさんも自分の好みや悩みなどに合わせ、お気に入りの1本を探していると思います。

ライオン「NONIOハブラシ」でもみがき心地や毛の硬さで6種類あります

ハブラシは、現時点においてライオン製品だけでも国内の家庭品で約90種類、海外向けも含めると約300種類が販売されています。
使う人それぞれのニーズに応えるために、ハブラシは進化と細分化を繰り返しています。

まさに原点。新しいハブラシ誕生の裏に手づくりの試作品

さまざまなニーズに合わせたハブラシが求められているなか、新しいハブラシが誕生するとき、その設計の出発点において、とてもアナログな方法が使われていることは一般の方にはなかなか知られていないかもしれません。
 
1日2~3回ほど使用することになるハブラシは、使っていて心地よい手触りや力の入り具合などを実現させるため、持ち手や口のなかに入る毛などの細部にわたって気配りが重要になります。
 
そもそもハブラシがどんなパーツで作られているかご存知ですか?

さまざまな組み合わせでできているハブラシ

ハブラシは基本的に3つの部分で構成されています。毛が植えてある「ヘッド部」、手で持つ「把持部」、そのふたつをつなぐ「ネック部」です。それぞれで材質や太さ、長さ、硬さなどの違いがあり、それらを組み合わせて無数ともいえるパターンのなかから使う人のニーズに合わせた最善の形を生みだすことになります。
 
新しいハブラシの開発では、使う人のニーズを汲み取りながら「こういうハブラシはどうだろう」「こんなハブラシが求められている」と企画して、その条件に当てはまるような試作品を10〜30種類ほどつくります。
 
実は、この試作品のヘッド部分に毛を植える作業は1本1本、「手作業」で行われています。毛を植えるのには根気がとても必要で、1本の試作品をつくるのに数日かかることもあります。

専用の植毛機を使って手作業で毛を植えます

硬い毛と柔らかい毛のバランスを変えてみたり、太い毛と細い毛を混ぜてみたりしながら毛の硬さを調整しています。これまでに試してきたさまざまなパターンから導き出したバランスで、狙い通りのハブラシのヘッドを目指します。そこで必要となるのが、熟練の技術者が長年に渡って蓄積してきた経験です。
 
ですが、新しい素材などが出現すると、これまでの経験では補えない部分があります。望んだ機能をもったハブラシをつくるのは、根気強くトライ&エラーを重ねていく、思った以上に長い道のり。技術者は「使う人それぞれが求める理想のハブラシをつくりたい。でもそれには時間がかかる……」というジレンマを抱えることになります。

AIがジレンマの解消に。最先端につながるこれまでの経験値

ハブラシ開発のジレンマを解消してくれたのが人工知能(AI)でした。ハブラシ開発のなかで特に重要な測定項目として毛の硬さの調整があり、この部分でAIが活用されています。
 
これまでに開発してきた膨大な数の試作品のデータを機械学習させることによって、予測モデルを作成。この毛の材質をこの形状で、この配列で植えたらどのような硬さのハブラシができるのか、試作品をつくる前にAIが評価してくれる仕組みをつくりました。
これにより、あらかじめ出来上がる試作品の状態が予測できるので、試作品の作成数は50%削減、開発期間を25%短縮することができた製品もあります。

AIがあらかじめ評価してくれるのでより効率的に

AIの活用でハブラシの開発はより効率化され、使う人それぞれの好みにスピーディに応えられる開発も可能になってきました。こういった革新的な進歩には、もちろんテクノロジーの進化が大きな役割を担っていますが、そのテクノロジーは、これまで培ってきた膨大なハブラシ研究の経験とデータに支えられています。

毎日何度も使うものだから、あらためてハブラシを見つめなおしてみる

食後や寝る前に歯をみがく。そんな何気なくやっている毎日の「歯みがき」という習慣。そして、その習慣をささえるハブラシ。
 
普段何気なく選び、使っているハブラシですが、現代では人間とAIの技術のマッチングで生み出された日用品だったりもします。
 
「自分はどんなハブラシだっけ?」「家族はどんなハブラシ使っているのかなぁ?」普段は当たり前すぎて、ハブラシを気に留めるのは、そろそろ交換タイミングかなと気付いたり、売場でお気に入りのハブラシを見つけるときだけかも。でも、この記事をご覧いただいた方は、ハブラシの見え方も変わって、いつもの歯みがき習慣に新しい発見があるかもしれません。
 
毎日自分のために使うハブラシについて、ちょっとだけ気にしてみませんか?

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▼オーラルケア習慣の定着化に向けた取り組み

▼毎月8日は「歯ブラシ交換デー」

▼使い終わったハブラシはリサイクルへ「ハブラシ・リサイクルプログラム」

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