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楽しい!は続けるための原動力。「キレイキレイ」に見る習慣のつくり方

ライオンは、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパス(存在意義)を掲げています。

このパーパスには、「事業を通じて社会のお役に立つ」という創業から受け継ぐ想いが込められています。

ライオンにとって、そして人々の生活にとってとても重要な「習慣」の可能性にふれるべくスタートした「LION Scope」。note記事の第2回となる今回は、私たちが実践してきた習慣づくりや、パーパスに込めた想いについてご紹介します。

いまは当たり前の習慣も、ここ数十年でできたもの

そもそも、なぜライオンは「人々の毎日に貢献する」ことに対して、「習慣づくり」を行おうとしているのか。それをお伝えするために、まずは「習慣」について考えていければと思います。

「習慣」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? 毎朝ランニングをする、毎晩英語の勉強をする――。もちろん、そういった自分を高めるようなトレーニングも習慣です。ただ、忘れがちですが食事や入浴、掃除、洗濯など普段私たちが当たり前のように行なっている「暮らし」の一部もある種の習慣です。

後者の習慣は、現代においては当たり前になっていますが、じつは数十年前まで習慣化していなかったものもあります。

例えば「歯みがき」。多くの人が朝と夜に歯をみがいているのではないでしょうか? しかし、この1日2回以上の歯みがきが日本に定着したのは、ここ数十年なのです(図1参照)。それ以前は、基本的に歯みがきは1日1回。そのため、明治時代においては、う蝕(いわゆるむし歯)罹患率9割以上と社会問題にもなっていました。

(図1)歯みがき回数(歯ブラシの使用状況)の推移(1969年~2016年)
(厚生労働省「歯科疾患実態調査」より)(※1)
※1 平成28年歯科疾患実態調査結果の概要:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-28-02.pdf

ライオンはそういった状況を受け、1896年に粉ハミガキ「獅子印ライオン歯磨」を発売。その後、1913年から口腔衛生普及活動――いまで言うオーラルケアを全国に広める活動をスタートさせました。具体的には、歯みがき教室などの教育や、口腔衛生の重要性を伝える講演会などの実施です。啓発活動が必要なほど、日本において「歯みがき」が一般的でなかったからです。

初期の獅子印ライオン歯磨。当時のハミガキは粉が主流だった。

ほかにも、「家に帰ったら手洗いうがい」「洗剤で食器を洗う」などの生活習慣も、企業や人々の努力と心がけによって、数十年かけて当たり前になったものです。

ライオンはこの毎日、積み重ねている当たり前の創出に、人々がより健康で豊かに暮らすための秘訣があると考えています。

皆さんの「いま」に寄り添うだけでなく、新しい当たり前(習慣)をつくり出すことで、生活者に新しい価値を提供する――130年以上、ライオンが取り組んできたことを、あらためて紐解き言葉にしたのが、冒頭で紹介したパーパス(存在意義)です。

いままで取り組んできた「習慣づくり」への想いはそのままに、変化する時代に対応しながら価値を創造する。「温故"創"新」の精神でこのパーパスを実践しようとしています。

「キレイキレイ」誕生の裏側から考える「習慣のつくり方」

では実際、新しい習慣とはどのように生まれるのでしょうか。ライオンが考える「習慣のつくり方」を、「キレイキレイ」シリーズ誕生の裏側や活動とともに紹介します。

「キレイキレイ」シリーズが生まれたのは1997年。前年の1996年、大腸菌「O-157」による集団食中毒が社会課題になりました。子どもたちを菌やウイルスから守るために大切な手洗い習慣。どうしたら楽しく前向きに手洗いをしてくれるだろうか、という親の想いを起点とし、「楽しく洗える殺菌ハンドソープを開発しよう」と企画がスタートしました。

ライオンは創業当初から習慣づくりのコミュニケーションとして、「楽しい」「面白い」といった要素も大切にしてきました。それは、新しい習慣の定着には、人々が無理なく自然に行なえることが重要であると考えているからです。ハンドソープの企画を考えていくうえでも、当時の開発担当者が一番に考えたのは、「一過性のものではなく、長く使ってもらえるような商品をつくろう」「楽しんで使ってもらえるものにしよう」といったことでした。

そこで考え出されたコミュニケーションコンセプトが、「毎日の手洗いを親子で楽しく続けられる」。「楽しく」と「継続」を意識したアプローチでした。

パッケージは「親子が一緒に楽しく」という世界観を、上田三根子さんのイラストで表現しました。当時はイラストをここまで大きく使用した商品はなかったのですが、コンセプトを体現するためには譲れないとして担当者がこだわり抜いたそうです。

発売当初の「キレイキレイ」。商品名は500の候補のなかから選ばれた。

デザイン以外にも「キレイキレイ」というネーミングや、商品名にちなんだ「キレイキレイしましょうね」といった呼びかけ、子どもにも覚えやすい「キレイキレイ♪」というサウンドロゴの考案など、さまざまな工夫を重ねていきました。

単に商品を開発するだけでなく、手洗い教室の開催や手洗い歌の制作など、親子で楽しく、正しく手洗いをすることを根づかせる活動を、現在は国内にとどまらず海外でも行っています。

「手洗いがもっと楽しくなるように」という思いを込めて2017年にスタートしたマイボトルキャンペーン。親子で書いた絵をシールにしてボトルに貼ることで世界に一つだけの「マイボトル」を作ることができる。

さらには、「清潔を保つことは、自分だけでなく大切な人のためにもなる」と考え、手指を消毒するための「青のキレイキレイシリーズ」の開発や、「大切な誰かを想い、清潔衛生行動をとる」ことをリレーのように伝えていく「キレイのリレー」といった活動もスタートしました。

こういった製品へのこだわりや活動はすべて、開発当時の「毎日の手洗いを親子で楽しく続けてもらいたい」という想いを実現するためのものです。そうした「変わらない想い」を大切にしながらも、一方で「現代がどのような時代であるか」につねに向き合い、活動を続けることが、習慣づくりにおいては大事なのだとライオンは考えています。

時代の変化に柔軟に対応しながら、いつの時代も人々の生活をより良くするために、新しい価値を提供していく――。そのための「習慣づくり」を、さまざまな活動を通じて実践していきます。

▼青のキレイキレイ

▼キレイのリレー


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