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書道家・武田双雲さんインタビュー編集後記。「やらなきゃ」から「やりたい」があふれる世界へ

LION Scopeでは書道家の武田双雲さんにライオンのパーパス(存在意義)である「より良い習慣づくり」についてお話をうかがいました。

ここでは、インタビュー記事に入りきらなかったお話で、武田さんとご家族の「日常における習慣の工夫」を、編集後記として紹介します。


「~なきゃ」という義務感が生まれるのは何気ない日常の習慣から

武田さんは、人は成長するにつれ、「起きなきゃ、寝なきゃ、勉強しなきゃ、働かなきゃという「なきゃなきゃプログラム」ともいうべき義務感が増えていき、これが息苦しさの原因にもなっていくと語ります。
では、一体いつからそのような考えになるのでしょう? そして、一体どんなことから「~なきゃ」がはじまるのでしょうか。

武田:子どもにとって、最初の「なきゃ」ってなんだろうな? と思ったときに、お風呂とか歯みがきとか寝ることとかを、親が「しなさい」と言うことが始まりなのかなと。
子どもは「お風呂と歯みがきをしなきゃ」とは思っていないけれど、お母さんは「しなきゃ」と思っている。だから「歯みがきしなさい」「早く寝なさい」「起きなさい」という命令をする。そのことで子どもの義務感「なきゃ」をどんどん作っていくのだと思います。

武田さんのお子さんは3歳ごろ、イヤイヤ期をむかえて、歯みがきをイヤがるようになったといいます。そこで、お子さんが進んで歯みがきをするように作戦を考えました。

武田:「どうして歯みがきしないの?」って聞くと「イヤだから」と言うので、私は歯みがきを「なきゃなきゃプログラム」から「ワクワクプログラム」に変換しようと考えました。
どのような内容かというと、子どもから隠れるようなふりをして、私と妻がこそこそと楽しそうに歯みがきをする。そうしたら「パパ、ママ、なにしているの?」と聞いてくる。だから最初は「子どもには教えられない」と答えます。そうすると気になるので「なにしているの! 教えてよ!」ともっと聞いてくる。そうしたら「歯みがきだよ」とこたえる。すると自分から「僕にもやらせてよ!」と言ってくる。ここまでくればワクワクになっているので「いいよ、一緒にやろう」と、家族みんなで歯みがきをします(笑)。

「歯みがきしなきゃ」を「歯みがきしたい!」に変換し、家族の楽しい習慣に変えた武田さん。無理にではなく、子どもが自然にやりたいと思うように誘導しながら、ポジティブに歯みがきを習慣にしていったそうです。


「なきゃ」では見えないこと、「やりたい」で見えてくること

大人になるにつれ、増えてきている気がする「なきゃ」。それは現代が昔に比べ発展し、豊かになったからこそではないかと武田さんは話します。

武田:学校があれば勉強するのが当たり前。会社があれば仕事をするのが当たり前。だから「勉強しなきゃ」「稼がなきゃ」と思う。当たり前になると、ある程度満足しているから「なきゃ」になる。そうすると、つまらなくなってしまうと思います。

勉強は本来「学びたい」と思う人がやるわけで、みんなが学校に行けない時代には、学校で学びたくてしょうがない人もたくさんいたと思います。私たちはいつの間にか、学校があることを当たり前に感じて、不満ばかりが目に付くようになってしまっているのかもしれません。

でも、マインドの部分で自分の意識を変えれば、みんな魔法が解けたみたいに「あれ? 実は学校楽しいな」となるかもしれない。「やらなきゃ」と思い込んでいることを、「やりたいからやる」に変えることができれば、世の中をポジティブに見ることができるようになるかもしれない。理想かもしれないけど、物事を見る視点を変えるだけでパラダイムシフトが起こせるのではないかと思っています。

私たちは自分を取り囲む環境をひとつの方向からしか見ていないのかもしれません。そして、その固定された視点からみた『完璧な状態』を求めてしまい、そのギャップに不満を持ってしまう……。

武田:実は、私自身、まさに自分のこれまでのやり方を変えようとしている大変革期なんです。やりたいことをしていたはずなのに、いつの間にか「なきゃ」に囚われてしまって。「変わらなきゃ」ではダメだから、「変わりたい」と思って、家族と向き合って話し合いを続けているところです。

やらなきゃというMustから、ワクワクするWantになる。
難しいのはわかっているけれど、まだ私はあきらめていません。
最近では、幼い頃のワクワク感がまた戻ってきたように感じています。


編集後記

今回お訪ねしたのは、湘南の海近くにある武田さんのアトリエ。
アトリエには、「感性・感動・感謝」と書かれた色紙が飾られていました。

感じる心や感動した気持ちを大切にし、感謝する。心の動きを感じることを見つめた先に、武田さんの「楽しくポジティブにする思考の習慣」が生まれてきたのだな、と感じました。

そして、書道や作品を通じて未来をそんなポジティブなものに変えていきたい。という武田さんの想いを感じることができました。

朝起きる、会社に行く、家族と話す、手を洗う、夜眠る、、、
子どものころに楽しかったり、嬉しかった日常はいつの間にか当たり前になり、色を消しています。
武田さんのお話には、私たちが過ごす日常に色をつけ、鮮やかにするためのヒントがたくさんありました。

私たちもあらためて何気ない日常に「感謝」し、日々の暮らしを楽しみたいなと思います。

武田さん、取材をさせていただき、ありがとうございました!

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