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≪前編≫10代が本気で考えた自分たちのオーラルケア習慣。ライオン研究員が中高生とつながるわけ

  • 「10代の若者たちが気軽に続けられるオーラルケア習慣をつくりたい」というライオン研究員たちの思いと、「生徒たちにビジネスや社会の仕組みを学んでほしい」という角川ドワンゴ学園職員の想いが一致し、2022年の夏休みに10日間にわたる特別プログラム「LIONと挑戦!新商品企画プロジェクト」がオンラインで開催されました。

 10日間にわたって実施されたプログラムは、ライオン研究員からのプレゼンで始まり、角川ドワンゴ学園N高等学校・S高等学校・N中等部※(以下、N/S高・N中等部)の生徒さんたちがワークショップ形式で新しいオーラルケアのアイデアを考え発表、優秀賞2つが選ばれて幕を閉じました。この取り組みから受けた刺激と学びを、これからの製品開発にどう活かしていきたいか。プログラム運営にあたった研究員たちに聞きました。

※N中等部は学校教育法第一条に定められた中学校ではありません。ご自身の中学校に在籍したままN中等部で学んでいただきます。

知ってましたか?中高生の9割が抱えるお口のトラブル

ーー研究員の今崎麻里さんは、今回のプログラムを主担当として企画されたそうですね。まず初めに、なぜライオンが、中高生とつながるワークショップを実施したのか、その背景について教えてもらえますか?

今崎 麻里

今崎:実は、ライオンの独自調査で、いまの10代の約9割は、むし歯や口臭、歯の黄ばみなど、お口にトラブルがあると自覚していることが分かりました(※2021年当社オーラルケア実態調査結果)。
ところが、そうしたトラブルに対処している人は半数程度にとどまっていたんです…!

ーーなるほど、10代の9割がお口にトラブルを抱えているとは驚きです。中高生をはじめとした10代特有の課題なのでしょうか?
 
今崎:小学生までは、仕上げみがきをしてもらったり、給食後に歯みがきタイムがあったり、お家の方や学校の先生など、自分以外の人から歯みがきを気にかけてもらえる機会が多くあります。ですが、中高生になると歯のケアを自立して行うようになり、そうした機会が減ってきます。すると、次第にオーラルケアがおろそかになっていき、結果、お口の状態が急激に悪くなってしまう10代が少なくないのではないかと…。
 
また、実際に10代の人たちへのインタビューを通してわかったことですが、朝と夜の歯みがきは習慣化していても、学校での昼食後の歯みがきは習慣化できていなかった人が多かったんです。その理由として、『昼休みに友達を待たせてまでお口のケアに時間をかけたくない』『うがいができる水場が少ない』『周りで歯みがきをしている友達はいないので気まずい』といったリアルな実態も見えてきました。
 
こうした経緯から、私たちは10代の若い世代に、オーラルケアを自分ごと化して習慣づけてもらうことを、大きな課題としてとらえてきました。
 

「気軽に外出先でできるオーラルケアのアイデア」求む!!

ーーそういう問題意識があって、今回のプログラムを開催されたわけですね。N/S高・N中等部さんは以前にも、さまざまな企業とのプログラムを企画されてきたそうですが、今回ライオンからは中高生に対して、どのような課題を出したのでしょうか?

水野 瞳

水野:生徒さんたちには「中高生が外出先でも思わずやっちゃう、オーラルケアの仕掛けや新製品」を考えてもらいました。
 
今崎が述べた、10代のお口のトラブルを解決するためのアイデアを、当事者である生徒さんたちがリアルな発想で考えてくれたら、「オーラルケア習慣づくり」に大きなヒントとなるのではないかと考えたんです。
 
ーー「外出先でも思わずやっちゃう」というのがポイントですね。
 
水野:そうなんです。このお題には、「朝と夜の歯みがきだけでなく、学校や外出先で、昼ごはんを食べたあとのお口のケアも、習慣化してほしい」という狙いがあります。
 
時間や場所の制限があっても気軽にできて、「これならやれる!」と自分自身が思えるオーラルケアの仕組みを、中高生のリアルな感覚で考えてほしいと思いました。

驚きのアイデア続出、自販機とオーラルケア!?

ーーそうして始まった10日間にわたるプログラム。ライオンから生徒さんに向けて、製品開発業務の紹介をする講義や、グループにわかれてオンライン上でアイデア検討のためのワークショップが行われたと聞きました。


林 貴広

林:ワークショップでは、5グループにわかれて課題に取り組んでもらい、講義パートで話した「企画段階の仮設立案」「ターゲットの設定」「アイデア立案」を行ってもらいました。
 
どのグループからもたくさんアイデアが出てきて、若い世代ならではの柔軟な発想に、とても驚かされました!生徒さん自らアンケート調査を行ったり、時間外にもオンライン上で自主的に集まって納得するまで話し合ってくれたりと、オンラインのプログラムながら、熱心に課題に取り組む姿を垣間見ることができ、とても刺激を受けましたね。
 
ーーインターネットを活用した教育を普段から受けられているN/S高・N中等部の生徒さんということもあって、オンライン上でのそうしたやりとりに習熟されているのでしょうね。それでは実際に、どういうアイデアが発表されたのか、教えてもらえますか?
 
林:発表は全部で5つありましたが、私たちが優秀賞に選んだのは、そのうちの2つです。
 
まず1つ目の作品は、「オーラルケア飲料」というアイデアです(下図参照)。学校や外出先で水分補給をしながら、同時に口臭、むし歯予防がかなうというペットボトル入りの飲料を提案いただきました。さらに飲み飽きないよう、「“効果増強”味変パウダー」もセット買いできるという、斬新な発想です。
 
歯みがきなどの従来のオーラルケアは、何かのついでにやろうとしてもできません。冒頭に今崎からお伝えした中高生の実態からみても、後回しにしてしまうのも、無理もありません。それに対して本アイデアは、飲むだけで済むのに加え、「味変パウダー」で色んな味を楽しめる工夫があり、遊び心を感じられるところを評価しました。
 

実際にN/S高・N中等部の生徒が提案した発表資料

ーー面白いですね!確かにふだん飲んでいる飲料で、ついでにオーラルケアができるなら、とても手軽だし、習慣化ができそうです。
 
水野:若年層が重視する、タイパ(タイムパフォーマンス)の発想が、ストレートにアイデアになった様に感じます。さらに、「ペットボトルも味変パウダーも、自販機で買える」というのも評価ポイントになりました。学校に自動販売機が設置されていれば、気軽に購入できて良いですよね。
 
私たちも、以前、自動販売機を使って何かオーラルケアに関する仕掛けができないか、と考えたことはあったのですが、若い世代の人たちも実際にそういう仕組みを求めているんだ、という気づきとなりました。

中高生ならではの自由な発想が飛び交った、夏休み特別プログラム「LIONと挑戦!新商品企画プロジェクト」。後編では2つ目の優秀賞をご紹介するとともに、ライオン研究員たちが得た気づきをお伝えします。

(後編につづきます)

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